Sagasokka!活用事例 

荒川区立原中学校

【中学3年生/社会】

『Sagasokka!』の活用で、主体的な学習を実践

 荒川区立原中学校は全学年3学級規模の中学校です。教授型の授業ではなく、主体的な学習を取り入れることで知識の定着を図るとともに考えを深める授業ができないか模索しています。その一歩として授業時間内に必ず10分程度『Sagasokka!』で調べる時間を取る授業を毎時、実践されている社会科の佐々木このみ先生にお話を伺いました。

・所在地 東京都荒川区   ・学年 中学3年生   ・全生徒数 約270名

内容/用途 社会        ・利用開始 2022年4月 Sagasokka!

 

授業時間内に必ず10分程度『Sagasokka!』で調べる活動を実践するには?またその効果は?

授業のねらい・工夫
 単元ごとにプリントを冊子にして事前に配布し、1回の授業でA3のプリント1枚を仕上げていきます(プリントイメージ参照)。主体的な学びを心がけているのでプリントは、最低限の内容にとどめています。プリントは本時の課題、『Sagasokka!』で調べるキーワード(5つ程度)の要素から成り立っています。左下には板書の骨子のみ書かれていて、生徒は授業を聞きながら板書された言葉を余白やカッコ内に書き入れていきます。また、『Sagasokka!』で詳しく調べた生徒が調べたことを記載できるように、スペースを広くとるなど工夫しています。
 説明が終わった時点で板書とプリント左下のエリアが同じ構成になり、ノートが仕上がります。また授業のはじめにまず『Sagasokka!』で授業のキーワードとなる用語を調べた上で、歴史の流れの説明を受けると、調べてわかったことと関連付けて理解を深めることができます。
 

プリントイメージ

授業でやってみたこと

扱ったテーマ:「第二次世界大戦はどのように拡大したか?」
 授業の展開としてはまず前時の振り返りを先生からの質問形式で行ったり、隣の席の生徒同士で前時でまとめたことを読んだりしながら復習をします。1人の生徒に発言させたあと、『Sagasokka!』でキーワード、キーパーソンについて調べ、定義部分を書き写したり、要約したりして2行程度でその意味を書く時間をとります(10分程度)。そのあと本題の歴史の流れの説明を行います(20分程度)。歴史の流れの説明の中では適宜電子黒板に投影されている資料集やデジタル教科書を活用し、見せたい写真やテキスト、統計資料、地図などを指し示しながら説明します。
 一通りの歴史の流れの説明が終わると関連の映像を見せます。『Sagasokka!』から得た知識はこれらの過程で深い理解につながります。授業の振り返りや自分の考えを記入するアウトプットの時間を取ることで知識が定着します。
 また、授業中わからない言葉があったときには『Sagasokka!』で調べるように生徒たちに指導しており、単語集を使うように『Sagasokka!』で言葉を調べています。

扱ったテーマ:「戦時下の生活の様子を調べよう」
 学校図書館で調べる授業も実施されました。プリントに従って、キーワードを『Sagasokka!』で調べた後、戦時下の生活の様子を教科書や資料集で調べました。さらに、学校司書が事前に用意したテーマに沿った小説、漫画、写真集、調べ学習に役立つ本等のさまざまなジャンルの本から1冊を選び、読んで、わかったことをプリントに記入しました。

『Sagasokka!』で戦時下の生活の様子を調べる

『Sagasokka!』を使ってみて

 生徒たちはすぐに使い方に慣れ、今では授業が始まる前から自主的に調べ始める姿もあります。こちらが提示したキーワードを調べるだけではなく、難しい用語や忘れてしまった用語を調べるときにも重宝しているようです。授業で使うワークシートは、黒板をただ書き写すだけではなく、ポイントを整理したり深めたりするなどの工夫をするよう指導しているため、生徒の主体的な学習にも『Sagasokka!』が役立っています。今はインターネットを使って手軽に用語の意味を調べることもできますが、限られた時間の中でそれぞれの情報の真偽を確かめることは難しいです。情報の正確性という点でも、安心して使わせることができます。
 教員側としても、教材研究の際、用語の意味を確認するときに便利です。思いがけず新たな知識を得られたときは嬉しくなります。


写真提供:荒川区立原中学校