Sagasokka!活用事例 

 甘楽町立福島小学校 

【4年生/国語】

『Sagasokka!』の画像で指導上の課題が解決!

 甘楽町立福島小学校では、4年生の「世界にほこる和紙」「伝統工芸のよさを伝えよう」(※)の単元で『MottoSokka!』も図書館の資料も使った「調べ学習」に取り組んでいます。ここでは、自分が調べる伝統的工芸品を『Sagasokka!』を使って選んでいく授業のことを、担任の新井有希子先生、司書教諭の青木いず美先生にお話しいただきました。

※2024年度より「未来につなぐ工芸品」「工芸品のみりょくを伝えよう」に変わりましたが、『Sagasokka!』の活用については参考になるため紹介しています

・所在地 群馬県甘楽郡   ・学年 4年生   ・全児童数 約160名

・内容/用途 国語 世界にほこる和紙 伝統工芸のよさを伝えよう
        現)未来につなぐ工芸品 工芸品のみりょくを伝えよう

・利用開始 2021年7月 Yomokka!/Sagasokka!

 

写真があれば自分で選べる。自分で選ぶから、調べることも楽しめる

授業のねらい・工夫

 「世界にほこる和紙」「伝統工芸のよさを伝えよう」の単元は、和紙、伝統的工芸品について学び、興味を持った伝統的工芸品ひとつを選び、調べたものを最終的にリーフレットにまとめるという単元です。
 教科書には「和紙」についての文章が掲載されていますが、こどもたちは「和紙」というものを、まだよくわかっていないと思われます。そのため、まずは「和紙」の現物を見せて、触ってもらうところからはじめました。
 本時では、自分が調べる伝統的工芸品を選びます。数多くの伝統的工芸品から、自分で興味を持ったものを選べるようにして、次の時間から調べてまとめあげる動機付けをはかりました。

授業でやってみたこと

 自分で選ぶということを児童に伝えると、はじめは選ばなくても指示されたもので調べればそれで良いというような空気になりました。しかし、いろんな伝統的工芸品を知り、そこから選ぶという言い方にしたところ、一気に自分で選びたいという考えに変わりました。
 司書教諭が『Sagasokka!』の「伝統的工芸品」の項目で、「画像・資料を見る」を押すと、たくさんの伝統的工芸品の写真がでてくることを示し、児童がそれぞれ見て気になるものを選んでいきました。事前に説明していた「マイデスク」のクリップ機能を使うことも促しました。

『Sagasokka!』の「伝統的工芸品」の項目で「画像・資料を見る」を押すと、180以上の関連画像・資料がずらりとでてくる

学校司書から「定義」の説明を聞く

 いくつか選ばれたところで、プリントを配布しました。学校司書が「定義」の説明をして、「伝統的工芸品」の項目の最初の文から、それがどういうものかという確認をします。また、選んだ伝統的工芸品の項目を調べなおして、最初の定義文から「すずり」「織物」など、どういう「品」なのかを知ってもらいます。次の時間に備えて、どんな品か、どこで作られているか、といった基本的な情報をプリントに書くところまでで終了です。

『Sagasokka!』で調べた内容をプリントにまとめていく

 この後は、『Yomokka!』と『Sagasokka!』と紙の書籍を使って、歴史を調べるか、つくりかたを調べるか、など視点を選び、「良いところ」を調べていく時間となります。

『Sagasokka!』を使ってみて

 各児童が調べる伝統的工芸品をどうやって選ぶか、というところは、これまでも課題でした。児童にとって「伝統的工芸品」はよくわからないもので、全国の工芸品との接点も少なく、「漆器」や「ちぢみ」と言われても、なかなかイメージできません。
 また、選ぶツールをどうするかという問題もあります。去年は「総合」と絡めて日本の地理の資料から都道府県を選 び、その都道府県の伝統的工芸品を選ぶことにしていました。都道府県の資料のなかに伝統的工芸品の記述があり、そこから次の資料に進んでいきます。しかし、ひとりひとりが選んだ伝統的工芸品を調べる資料は、がんばって他校や公共図書館から集めても十分な数にはなりません。インターネットを使っても資料が探せない、ネットで見つけても漢字が読めない。
 今年は、『Sagasokka!』の「伝統的工芸品」の項目に、たくさんの写真が掲載されているのを見て、これを使えば良いんだ!と気づきました。画像を見れば、その工芸品のことがぱっとわかります。地元群馬の「伊勢崎絣」や「桐生織」はいつも人気なのですが、今回の授業では、弓(「都城大弓」)、仏壇(「飯山仏壇」)、象がん(「肥後象がん」)などを選ぶ児童もいました。「仏壇」の写真を見ると金ピカで、興味を惹かれるのもわかります。
 『Sagasokka!』と『Yomokka!』があれば、児童が自分で読める資料が複数あるという状態が確保され、調べてもわからなかったり、資料の都合で調べたかった伝統的工芸品が調べられなかったりということもなくなりました。
 児童がそれぞれ画像をもとに、調べたい伝統的工芸品を決めることができたというのは、直感的、視覚的に感じられる部分が有効だったなと思います。『Sagasokka!』で項目を読むと「調べた項目リスト」に履歴が残るので、後の授業でも調べなおしや読み返しが容易にできるという点も良かったと思っています。

写真撮影:ポプラ社



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